木皿未来(岩手県立大学 看護学部), 武田利明:岩手県立大学看護学部紀要(1344-9745)7巻 Page7-17(2005.03)

Abstract
輸液剤の血管外漏出に対する適切なケアを確立するため,輸液剤の血管外漏出による生体への影響を検索する目的で実験動物を用いた基礎研究を行った.その結果,輸液の血管外漏出時には,炎症や浮腫,筋細胞の壊死などの組織傷害が生じ,病変は48時間を経ても持続した.ソリタ-T3号と大塚糖液5%の血管外漏出時には,炎症と浮腫を主体とした病変がみられた.グリセオール注の血管外漏出時には,重篤な筋壊死が認められた.ソリタ-T3号と大塚糖液5%の組織傷害性は同程度であり,グリセオール注は組織傷害性が強かった.