小坂未来(岩手県立大学 看護学部), 武田利明:日本看護技術学会誌(1349-5429)4巻2号 Page32-37(2005.11)
Abstract
輸液剤の血管外漏出の実態を明らかにすることを目的に,A病院の看護師を対象にアンケート調査を実施した.血管外漏出を,「静脈へ注入されるべき薬剤や溶液が周囲の組織へ投与されてしまうこと」とし,調査期間(27日間)中の血管外漏出の件数と内容,および対応を調査した結果,血管外漏出は54例発生しており,そのうち輸液剤単独での血管外漏出は22例あり,血管外漏出が起きる頻度が高い点滴製剤は電解質輸液製剤であることが分かった.輸液剤単独でも血管外漏出が起こると腫脹や発赤などの症状を呈しており,無処置または冷罨法による対応がなされ,冷罨法としては冷湿布の貼付が行われていた.