武田利明(岩手県立大学 看護学部), 石田陽子, 小山奈都子:岩手県立大学看護学部紀要(1344-9745)8巻 Page101-105(2006.03)

Abstract
ビンカアルカロイド系の抗がん剤については,血管外に漏出した場合のケアとして温罨法が推奨されているが,その根拠に関する詳細なデータについては不明であった.そこで,国内外の文献調査によって根拠を探すとともに,その根拠の内容と有用性についても考察した.看護学・医学雑誌における抗がん剤漏出時の罨法に関する記載内容の現状を把握するために,医学中央雑誌を用いて文献について検索し,23件の論文が得られた.ビンカアルカロイド系の抗がん剤漏出時の温罨法の根拠となるデータが得られなかった.さらに過去の医学中央雑誌(医中誌Web全年,1983~2005)で検索し55件の文献が得られたが,実証研究に関する論文は得られなかった.そこで,MEDLINEで文献検索を行い,ビンカアルカロイド系抗がん剤が血管外に漏出した場合の温罨法の有効性を示す研究論文を探し出すことが出来た.