石田陽子(岩手県立大学 看護学部), 三浦奈都子, 武田利明:岩手県立大学看護学部紀要(1344-9745)6巻 Page101-105(2004.03)

Abstract
薬剤の血管外漏出時の看護ケアがどのようになされているか,その方法を用いる理由は何かについて,研修会に参加した看護職を対象にして実態を把握するため質問紙調査を行い,207名から回答を得た.その結果,主として温罨法,冷罨法,リバノール湿布の3種類のケアが実施されていることが明らかになった.それぞれのケアを用いる理由,根拠は曖昧であり,用いる時期やその方法についても,看護師個人の判断で様々に行われている実態が明らかになった.適切な看護技術を提供するためには根拠とその効果を踏まえた科学的検証が必要であり,現在臨床現場で行われている血管外漏出時に行われる方法の科学的裏付けをとり,それを蓄積していく必要がある.